#02 植本 修子【秘境のまちに彩りを】ハレとケデザイン舎代表取締役

愛着や思い出は残しながら

――少子化に伴う就学人口の減少により、毎年400~500校の廃校が発生しています。文部科学省が調査を始めた2002年以降、15年間で7583校が廃校となり、再利用されているのは約7割。過疎地域にとっては、廃校活用が町おこしに繋がることもあり、日本全国で多くのプロジェクトが動いています。

東京で働いていた植本さんは、この廃校活用がきっかけで徳島県の山あい、三好市に移住しました。
現在までに2つの廃校をリノベーションし、ともに複合施設として活用しています。

廃校活用がきっかけで移住

――移住のきっかけをお聞かせください。なぜ三好市を選んだのでしょうか?

【植本】
東京で勤めていた会社の上司に、「三好市で廃校を使うアイデアを募集しているよ」と誘われて、2歳の息子を連れて視察に来たのがきっかけでした。
当時、息子が喘息の一歩手前だったんですが、こっちに来たら息子の喘息の症状が治まったんです。やっぱり水や空気が違うんだなと思って。
もちろん廃校活用はきっかけですが、息子の姿を見て、本気で移住を考え始めました。仕事もデザイン関係なので、場所を問わず出来ますし。

――最初に企画したのが出合小学校ですよね。

【植本】
はい。まず、出合小学校の廃校活用のコンペに参加しました。3年分の事業計画を書いて、資金は自分で調達したり、国から補助金をもらって対応しました。
廃校になってから9年経過していましたが、机や椅子はそのままで、昨日まで人がいたの!?というような状態でした。本当に色々な方が学校の片付けを手伝ってくれたので、みんなには足を向けて寝られないですね(笑)。

――出合小学校は、どういった施設として活用していますか?

【植本】
最初はカフェ、次にゲストハウスを始めました。父親が焙煎士で、母親は洋菓子の講師だったので、もともと自宅がカフェのような雰囲気でした。なので、カフェをやる縁や下地みたいなものはありましたね。
ただ、正直始めた頃は事業として回ると思っていませんでした。デザインの仕事もあるので、これ1本で生計を立てようなんて全く考えていませんでした。

ひょんなことから四国No.1サウナに

――2校目の廃校活用は、どんなきっかけだったのでしょうか?

【植本】
当初、三好市の廃校活用プロジェクトに応募するとき、下野呂内小学校(現シモノロ・パーマネント)が第一志望だったんです。校舎の規模感もちょうど良かったので。ただ、当時は貸してもらえる状態ではなかったので、出合小学校をリノベーションして、活用することにしました。
その後、「今からでも下野呂内小学校で何かやってみませんか?出合小学校でしっかりやっているし、信用しているので」と言われ、4年前に計画を始めました。
やり始めて1年間はやりたいことがぼんやりしていて、雑貨を販売してみたり、美味しいコーヒーを目玉にしたいと焙煎機を購入したりと、色々と模索の日々でした。

――では、好評を得ているスウェーデンサウナも、最初は構想にはなかったんですね。

【植本】
全然考えていませんでした(笑)。サウナは2年目の夏に完成しました。知人が鳥小屋を見て、「サウナ小屋にしてみなよ、川のそばにあるからすぐ飛び込めるし」と言っていて。スタッフが短期間で、遊びの気持ちで作ってくれました。
でも、ここまで人気が出るのは想定外でした。特に、「サウナイキタイ」というサイトに登録してから、予想以上に全国からサウナ好きが集まりました。「このサウナに入るために三好に来ました!」と言う人もいて、いつも驚いています(笑)。

廃校活用はそんな軽い仕事じゃない

シモノロ・パーマネントの谷のサウナ

――廃校活用をする中で印象的な出来事があればお聞かせください。

【植本】
ある日、80歳くらいのおばあちゃんが姪っ子さんと一緒に来てくれたんです。卒業アルバムを見て、「これ私!」と喜んで話していて、嬉しいを通り越してびっくりしました。また、元校長先生も来てくれたり。みなさん愛着があるんですよね。
学校はただの箱じゃない、色々な人の思い出が詰まっているから、そんな軽い仕事じゃないと感じました。でも、みなさんが帰ってこられるような場所に出来て、本当に良かったと思っています。

――最後に、今後の目標をお聞かせください。

【植本】
サウナで来てくれる人がもっと増えて、それでみんな健康になってくれたら嬉しいですね!

植本さんとのSo-Gu体験

植本修子さんとは、徳島県三好市でSo-Guできます。

①デザイナーが提案する廃校スウェーデンサウナ

植本さん2校目の廃校活用で手掛けるシモノロ・パーマネントにて、最高の“ととのい”を体験してみませんか?
施設内にあるスウェーデン式のミストサウナは、薪ストーブの優しい暖かさと天然(地産)のハーブが癒し空間を演出。徒歩30秒の大自然の川に飛び込み、緑に囲まれた中庭で外気浴を楽しめば、極上の幸福感が味わえます。
サウナ上がりは、クラフトコーラやサイダーなどの自家製ドリンク片手に、植本さんとのサウナトークにも花を咲かせましょう♪

【シモノロ・パーマネント】
徳島県三好市、廃校となった旧下野呂内小学校を利活用した複合施設です。
大自然の中で「物・食・学」の機能を持ち、併設の里山のようちえん・放課後学校「花咲み-ハナエミ-」とも連携しながら、暮らしに様々な提案をしています。
https://www.shimonoro-p.jp/

体験場所シモノロ・パーマネント
所要時間60分
料金3,800円(入浴料および飲食代別途)
予約リクエスト期限3日前の17:00

②デザイナーと共に廃校リノベーション複合施設を回る!

眠っていた2つの廃校に新たな命を吹き込んだ植本さん。その取り組みや活動、廃校活用のイロハなど、施設の視察と合わせてお話しします。
リノベーションした複合施設で、プロデュースやデザイン、その他クリエイティブなお話など、アイデア吸収の学びの場にもおすすめ!
最近では、木育の取り組みにも力を入れているので、木のある暮らしや木育に興味のある方も楽しめるコンテンツです。

【シモノロ・パーマネント】
徳島県三好市、廃校となった旧下野呂内小学校を利活用した複合施設です。
大自然の中で「物・食・学」の機能を持ち、併設の里山のようちえん・放課後学校「花咲み-ハナエミ-」とも連携しながら、暮らしに様々な提案をしています。
https://www.shimonoro-p.jp/

体験場所シモノロ・パーマネント
所要時間120分
料金8,400円
予約リクエスト期限3日前の17:00

植本さんに会いに行く

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○令和3年度~令和5年度
徳島県三好市「三好市官民共創地域ソリューション開発プログラム」
○令和4年度
経済産業省「令和4年度地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業(地域・社会課題の発掘と解決に向けたマッチング)」
○令和5年度
中小企業庁「令和5年度地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業(地域・社会課題の発掘と解決に向けたマッチング)」

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