#24 隅川 雄二【イメージをカタチにして伝えるイメージビルダー】UP2U(Up to you)主宰

ここにあるから伝わる何かを、創造し続け、楽しみ続ける

――アーティスト、クリエイター、エンターティナー…。いくつもの肩書きを並べてみても、隅川雄二さんを説明し尽くすことはできません。
ある時は絵で、あるものは立体で、その手から生み出される様々な形の創造物。それらは感動を生んだり、役立つ情報を運んできたり、あっと驚かされたり思わず吹き出したり、ジャンルもテイストも多種多様。変幻自在な創造主の隅川さんは、自らを「イメージビルダー」と称します。苦労すら楽しみながら、いたずらを仕掛ける少年のような笑顔で、私たちをワクワクの世界へと導いてくれます。

カタチも手法も可能性も無限大

――イラストやモニュメント、デザインなど、隅川さんが手がけるものは実に多彩ですね。

【隅川】
イラストでは挿絵や商品イラスト、案内図やポスターもあればトリックアートもありますし、立体造形物では街中の観光案内や建築模型などもあります。肩書きは「テクニカル・イラストレーター」としていましたが、最近は作るものの幅が広がっているので「イメージビルダー」と称しています。平面、立体、映像などあらゆる手法でイメージを具体的な形にする仕事です。

――作品例の一つとして今年(2022年)の道後温泉での展示について教えてください。

【隅川】
2021年から3年間に渡るアート事業「みんなの道後温泉 活性化プロジェクト」に関わらせていただいて、「振鷺亭(しんろてい)」に5作品を「道後温泉五如団子(ごしきだんご)」という総称で展示しています。色々おもしろい仕掛けがあるんですよ。

「つもりの愉(ゆ)」では温泉に入っているような写真を撮影できます。絵の中にも細工をしていて、例えば背景のタイル絵の鷺は、足に包帯を巻いて横には松葉杖。足のケガを治しにきた鷺が道後温泉を発見したという伝説に因んで描きました。

「令和乃道後温泉鳥瞰絵図」は、平面の絵を何層も重ねて一枚の立体的な絵に見せています。「立版古(たてばんこ)」といって、江戸時代からある技法です。

別分野から飛び込んだ技術の世界が出発点

――隅川さんらしい遊び心がいっぱいですね。元々はどのような作品を作っていたのですか?

【隅川】
テクニカルイラストという、産業系の機械や部品の絵を描く仕事をしていました。

例えばこれはバイクのエンジン。製造前の図面から最終形を立体的な絵にしたものです。普通の製図とは違ったルールに従って描く立体製図というものです。

実は高校・大学は全く別分野の電子工学科で、コンピュータを学んでいました。大学時代にこういう絵があることを知り、本を買って、その著者に「どうすれば描けますか」と手紙を送ったんです。するととても丁寧な返事をくださって「東京に学校と訓練所が一つずつあるから、どちらかの門を叩きなさい」と。卒業後に行くはずだった会社の採用が社会情勢の煽りを受けて白紙になってしまったこともあったのですが、とにかくやってみたかったので、専門学校へ行くことにしました。こういう絵を描く所でバイトもして、そのままそこに就職しました。

まだコンピュータの製図も無い時代ですから、全部手書きです。定規を何種類も使って、本当に細かくて手間がかかって。でも好きでしたね。なぜこんな大変なことを…と、自分でも思いましたが、完成が近づくと楽しくなるんですよ。それは今でも変わらないですね。

悔しさを原動力に切り拓いた道

――出発点はアーティストではなく技師だったのですね。

【隅川】
今でも自分がアーティストだと思ってないですよ(笑)。
最初に就職した会社に美術系の学校の卒業生がいて、私は畑違いの技術系だから、彼らを見ると悔しくてね。自分はモノクロの世界なのに、彼らは色を使って立体的でリアルな絵を描くんです。いいなぁ、悔しいなぁと思って、自分もそんな絵を追求しました。しばらくすると「描いてみるか」って仕事をもらって、できないのに喜んで受けちゃうから、そこから勉強です。
「できない」って言うのが悔しいんです。悔しさだけしか、なかったかもしれませんね。

――立体も手掛けるようになったのは何がきっかけですか?

【隅川】
両親の入院を機に東京から松山へ戻った頃、輸送や通信技術が発達して、松山にいても東京の仕事ができるようになりました。軌道に乗ったのですが、パソコンで描く時代になると、今度は人件費が安くて技術力もある中国や韓国に仕事が流れ始めたんです。何かしなきゃと仕事を探していると、建築会社で模型を作ってほしいという声があって、引き受けたのが始まりです。スタッフの中に立体模型も器用に作る子がいたので教えてもらって、みんなで「おもしろいね」なんて言いながら作りました。

水面下では必死でも涼しい顔で泳ぐ白鳥のように

――ピンチでも楽しむことができたのですね。

【隅川】
教えてくれる人がいたからですね。周りの人たちのおかげです。例えば仕事でクレームを受けて、その時は「こんちくしょう」と思っても、後になればそれは教科書なんです。テストの結果が返ってくるようなもの。仕事のたびに新しいことを覚えるのは大変でしたが、後ですべて役立っています。ムダなことは一つもありません。

――できないことを受けるのは怖くありませんでしたか?

【隅川】
「仕事は3回断ったら2度と来ない」というのが持論なので、よほどの事がない限り断りません。やったことがなくても「できます」って、言ってしまえば何とかなるものです(笑)。選り好みできるほど余裕もありませんでしたし。半ベソかきながら徹夜したことも何度もありますよ。

かっこよく言えば、白鳥のようでありたいです。水上ではスイスイと平気な顔をして、水面下では必死で足掻いている白鳥です。
飄々としているとか、何の心配もなさそうとかよく言われますが、本当は気が小さくて心配症のあがり症。そう見えてないなら嬉しいです(笑)。

――隅川さんからも作品からも、楽しさが伝わってきます。

【隅川】
楽しまないと、時間がもったいないでしょ。
悩んでもいいけれど、悲劇の主人公みたいに自分をかわいそうがるのはどうでしょうね。その時間が惜しいと思えれば、悩みは半分くらい減るんじゃないかな。悩んでる場合じゃないって、思えれば勝ち。楽しまないとね。

――今後もたくさんの作品で楽しませてください。最後に、隅川さんの目指すアートとは?

【隅川】
どこに持って行っても成立するものより、その場所だから意味がある方が、私は良いと思います。
例えば今回道後に展示した私の作品は、道後にあるから意味があって、別の場所ならただのゴミかもしれません。ここにある理由というものが、アートには必要なんじゃないかな。
そしてもう一つ。目的がちゃんと伝わらなければ、意味がないと思います。説明が無いとわからないようでは、ちょっとどうかな、と思います。パッと見て、すごい、きれい、感動した、わかるわかる、と。何か伝わるものがあってほしいですね。そういうものを作っていきたいです。

隅川さんとのSo-Gu体験

隅川雄二さんとは、愛媛県松山市でSo-Guできます。

※現在、体験プログラム鋭意作成中。

>あなたの町の活性化、So-Guがお手伝いします!

あなたの町の活性化、So-Guがお手伝いします!

あなたの町にも、きっといるはず「面白い人」。
私たちSo-Gu運営チームは、人にフォーカスした地域活性や関係人口(地域のファン)の創出を全力でサポートします。
いま一度“会うことの楽しさ”を共に感じ、一緒に地域を盛り上げましょう!

〇2021年~2022年
徳島県三好市「三好市官民共創地域ソリューション開発プログラム」
〇2022年
経済産業省「令和4年度地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業(地域・社会課題の発掘と解決に向けたマッチング)」

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