――時に、ひとつの経験が人生の転機となることがあります。
知らない景色を見たとき、新しい価値観に触れたとき、現実を肌で感じたとき。
人は、それをターニングポイントと呼びます。
松葉さんにとってのターニングポイント、人生の分岐点はインドネシアのゴミ山でした。延々と積み上げられるゴミの山、強烈な臭い、その中で働く現地の人々。衝撃と同時に感じる無力さ、自分には何ができるのか。
そんな新興国での原体験を胸に刻み、社会課題をビジネスで解決すべく、強き想いを持って日々奔走しています。
人生を変えたインドネシアのゴミ山
――まずは、お仕事についてお聞かせください。会社ではどういった事業や業務に取り組んでいるのでしょうか?
【松葉】
現在は、社会課題を起点とした新規事業の立ち上げをしています。もともと、NECの中央研究所で材料などの研究をしていましたが、留職でインドネシアのゴミ山に行きショックを受けたことがきっかけで、社会課題を解決するビジネスを立ち上げるためにビジネスデザイン職に転向しました。これまで、インドやインドネシアの社会課題解決型ビジネスの立ち上げに携わってきました。
――職を転向させるほどの衝撃となった留職のお話が気になりますね。
【松葉】
留職というのは、派遣元企業から新興国のNPOや社会的企業に飛び込み、社会課題の解決に挑むプログラムのことで、私はインドネシアのソーシャルスタートアップ「Waste4Change」で留職を経験しました。
インドネシアには世界最大のゴミ山があるのですが、留職中に訪れたときは無力感を感じ、ショックを受けて一週間へこみました。
延々と続くゴミの山、そこで働く人々、胃に突き刺さる強烈な臭い・・・。その全てを今でも鮮明に覚えています。「このゴミ問題を解決する」「社会課題をビジネスで解決する」という情熱に目覚めたのは、その時です。
今までこのゴミ山に4度訪問しましたが、この景色は私の活動エネルギーになっています。
また、このゴミ問題を解決しようと闘っているWaste4Change創業者のSano氏は私の心の師です。彼との出会いにより理想のリーダー像ができ、非常に大きく困難な課題にも勇敢に立ち向かっていくマインドを学びました。
――社会課題をビジネスで解決する。社会的意義の大きいお仕事であり、まさに挑戦のように感じます。何か活動や行動の指針となっていることがあるのでしょうか?
【松葉】
ゴミ問題もそうですが、その場しのぎの対応、いわゆる対処療法では問題は解決しません。社会課題の本質を解きつつ、仕組みづくりをしてビジネスとして成り立たせる。そして、その解決方法によって、新たな社会課題を生み出さないことをモットーにしています。
あとは、提供する製品やサービスは作り手の押し付けではなく、現地で喜ばれるものを目指し、本質的に意味のあることを実施したいと思っています。
大きな社会課題をビジネスで解決するのは非常に難しく、くじけそうになることも多いですが、自分がここで諦めたら問題は解決しないと思い、できることに少しずつ取り組んでいます。
垣根を超えて、周りを巻き込んで。
――その他、社内外での活動についてもお聞かせください。
【松葉】
NEC活性化のために、有志活動CONNECTの共同代表として活動しています。CONNECTは、現在社内で1000名超えのコミュニティになっています。”やりたいこと”を見つけ、実行するための一歩を踏み出すイベントを中心に、社内外でイベントを企画・運営しています。
有志活動CONNECTの中でも、私は社会課題を知ってもらい、個人または仕事としてできることを考えるワークショップやSDGs(※1)やESG(※2)の啓もう活動に特に力を入れています。
(※1)SDGs:Sustainable Development Goals、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた17の「持続可能な開発目標」のこと。2030年までに達成すべきゴールが定められており、誰一人取り残さないことを誓っている。
(※2)ESG:Environment, Social, Governanceの頭文字を取った言葉。企業が長期的に成長していくにはEnvironment(環境), Social(社会), Governance(ガバナンス)の3つの観点が必要だと考えられている。財務指標だけではなく、これらの非財務指標も考慮して行う投資をESG投資と呼ぶ。
その他、ONE JAPAN(※3)の繋がりで集まった12名のメンバーで、ESGやSDGsについての勉強や調査をしています。日本は、欧州や欧米に比べてESG投資額がまだ小さいのですが、100年、200年…と続く明るい未来を描いていくには、日本企業もE,S,Gの観点を理解し、変わっていくことが必要だと考えています。一緒に考え、実行する仲間を増やすために1000人規模のイベントを計画中です。まずはイベント準備として、アンケート調査やClubhouseでのトークセッションなどを開催しています。
(※3)ONE JAPAN:大企業を変えることを選んだ大企業の若手・中堅社員を中心とした企業内有志団体が集う実践コミュニティ。
また、個人の活動として、これまで小学校・中学校・大学・社会人の勉強会の場で、インドネシアのゴミ問題についての出前授業をおこなってきました。小学生や中学生からは、「自分と同じ年代の子供がゴミの山で働いていることを知らなかった。自分たちにできることはないだろうか」、大学生や社会人からは「SDGsという言葉は知っているが、実感を持てていなかった。今世界で起きている問題に触れられてよかった」などの声をいただいています。「日本以外の世界を知りたい」「昨今騒がれているプラスチック問題について世界のリアルを知りたい」「現地に行くのが難しいが社会課題に触れたい」など、世界で起きている問題を知り、考えるきっかけ作りにこれからも携わっていきたいと考えています。
――では、最後に今後の目標をお聞かせください。
【松葉】
インドネシアのゴミ問題解決に、少しでも貢献し続けたいと思っています。
社会課題をビジネスで解決していくことは難しいですが、自分にできる小さなことを続けながら、誇れる事例を創っていきたいと思います。
松葉さんとのSo-Gu体験
松葉明日華さんとは、東京都内でSo-Guできます。
①オンライン交流
社会課題の解決に取り組み、未来へ向けた挑戦を続ける松葉さんとお話ししてみませんか?
SDGsやESGに関心のある方、社内活性化の有志活動に興味のある方など大歓迎です!
体験場所 | オンライン(Zoom) |
所要時間 | 60分程度 |
料金 | 1,000円 |
予約リクエスト期限 | 3日前の18:00 |
②インドネシアのゴミ問題について講演
※現在オンラインのみ対応可
インドネシアのゴミ問題を中心に、環境問題、生物多様性、日本のゴミ問題などについてお話しします。
世界で起こっていることを知りたい、ゴミ問題がなぜ起きているのか詳細が知りたい、プラスチックは悪なのか、現地の人の話を聞きたいなど、ご希望に合わせて内容を調整いたします。
※事前打ち合わせでご希望を伺い、目的によってはワークショップなども企画可能です。
【過去の実績】
・フェリス女学院大学(2018)
・瀬ケ崎小学校4年生向け講演(2020)
・創英中学校2年生向け(2020)
体験場所 | 東京都内、神奈川県内など / オンライン (日程が合えば出張も可) |
所要時間 | 45~90分 |
料金 | 国公立教育機関:無料(※交通費要相談) その他:20,000円 ワークショップ設計 +5,000円 (遠方の場合は、別途交通費を頂戴いたします) |
人数 | 2名~ |
予約リクエスト期限 | 14日前の18:00 |
③社会課題を解決するビジネス立ち上げの壁打ち
※現在オンラインのみ対応可
留職中、社会課題と最前線で戦ってきた経験やNECで新規事業立ち上げについてdoing & learningをしている経験を生かして、社会課題解決型のビジネスを設計していく際の考え方や進め方について壁打ちします。
※事前打ち合わせでご希望を伺い、目的によってはワークショップなども企画可能です。
体験場所 | 東京都内 / オンライン |
所要時間 | 60分 |
料金 | 5,000円 |
人数 | 1名~ |
予約リクエスト期限 | 7日前の18:00 |
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