令和3年度よりスタートした徳島県三好市との官民共創プロジェクト、「三好市官民共創地域ソリューション開発プログラム」。三好市が抱える課題を解決するため、さまざまな活動をおこなっております。官民共創や関係人口創出が大きなテーマである本プログラム。その活動内容、事例をご紹介いたします。
本プログラムについて
三好市では、人口減少の抑制・流入等の促進を目指し、その実現に向けた具体的な施策をまとめた第2次三好市まち・ひと・しごと創生総合戦略(以下「総合戦略」)という。)を2020年3月に策定しました。総合戦略では、5つの重点プロジェクトを設定し、それぞれに具体的な事業および施策を位置付け、転出抑制・転入促進による人口構造の適正化と、急激な人口減少の緩和による持続可能な地域づくりに取り組んでいます。
移住・定住人口の増加に向けては、三好市に繰り返し訪れるリピーターなど、より多くの関係人口との継続的なつながりづくりが必要であることから、2018(平成30)年度に「関係人口創出事業」を開始しました。
本プログラムは、三好市が抱える人口減少という課題を解決する糸口を見つけ、官民連携(共創)、市内外のキーパーソンとの関係の構築(ヒトのシェアリング)、複数の団体による共同実施(協業)により、関係人口の創出を目指すものです。
取り組み紹介
令和5年度は、3つの取り組みを中心に活動をおこないました。
空き家の遊休資産を復活させ移住希望者の「住む」を助ける
【概要】
今後も全国的に移住希望者は増えていくとされるなか、三好市は気に行ったが希望する物件が見つからず、他の移住先に流れてしまうという可能性も考えられます。三好市の空き家総数は、2018年度時点で約2,970戸(別荘、賃貸、売買用住宅を除く)。対して、2019年12月時点の空家バンク登録申請件数は107 戸。わずか3.6%の登録しかないという状況です。
残りの96.4%の中には、「住んで欲しいけど、荷物を片付ける労力と場所がない」という、空き家の所有者側の課題があります。移住希望者側としても「すぐに見られる物件がない」あるいは「片付いていないので住むイメージが湧かない」というミスマッチが起こっています。
そこで、地域団体や民間事業者が空き家の掃除・不要な家具等の撤去作業をおこない、空き家の所有者がすぐに貸し出し・販売ができる状態にすることで、空き家活用や移住支援につなげることを目指しています。
【取り組み状況】
地元企業と徳島県南部の企業が協働。現在は、類似事業者や空き家活用団体へのヒアリング・視察を経て、実証実験開始を目指しています。
三好・琴平・三豊 お互いのエリアを知るスタディツアーの実施
【概要】
リモートワークの普及により、毎日の出勤がなくなり、家賃の高い都会に住まなくても仕事ができるようになりました。また、自然環境を求め、地方へ目を向ける人も増加しました。しかし、重要なのは地域における人々の「役割」と「立ち位置」、そして「コミュニティとの関わり方」です。
隣接する三好市、琴平町(香川県)、三豊市(香川県)の 3 エリアの広域で関係人口創出、ひいては三好市に新たな価値をもたらす事業を増やすことを目指して、3拠点のキーパーソンをつなぎ、お互いの理解を深めるスタディツアーの開催を計画しています。
【取り組み状況】
3エリアの企業が協働。関係人口の創出や事業者間の交流(スタディツアーの実証実験)を目的に、今年度は2023年11月と2024年1月の2回にわたりイベントを企画しました。
来年度以降も、3エリアをつなげる取り組みを続け、参加者が対象地域での活動に参画できるような座組づくりを目指します。
■2023年11月イベント
https://so-gu.jp/custom/yorusanpo/
■2024年1月イベント
https://so-gu.jp/custom/kagawa_special/
特産品開発:日本酒の海底熟成
【概要】
西日本第二位の高さを誇る「剣山」、市の中央部に流れる「吉野川」など、雄大な自然環境に恵まれた地域である三好市では、豊かな自然、歴史、文化に育まれた特産品が数多くあります。しかし、地域経済の持続的な発展のためには、新たな特産品が必要不可欠です。
そこで、四国有数の酒処である地域の特性を活かし、日本酒を活用した新商品の開発を目指しています。
【取り組み状況】
地元の老舗酒蔵と徳島県南部の企業が協働。日本酒を海底で熟成させるというプロジェクトを進めています。
2023年6月に日本酒を海底に沈め、12月に引き上げ。約半年間の熟成期間を経て、第1回目の試作品が完成しました。現在、熟成期間を調整するなど、商品のブラッシュアップをおこなっています。